撮影:田中瞳

──今回の撮影はいかがでしたか?

岸:黒中心の大人っぽい服を着させていただいたり笑顔よりもクールめの表情をしたりと、普段の撮影とは全然違ったんですが、撮っていただいた写真を見たら本当に素敵で。特に今回は視線の位置や口元の力み具合についても学ぶことができて、すごく貴重な機会になりました。

──今回の撮影を見ても感じましたが、加入当初と比べてだいぶ表情が柔らかくなりましたものね。

岸:ありがとうございます! 私、初期の頃は笑うことも苦手で、ずっと力みがちと言われてきたんですが、本当にちょっとずつなんですけど成長していけているのかなと思います。今日も「笑顔のときに歯や口に力を入れすぎないで、力を抜きながら笑うのがいいんだよ」と教えていただきましたが、そういったアドバイスが少しずつ実践できているのかもしれません。

──日向坂46の一員になって半年経ちましたが、自分の強みは見つけられましたか?

岸:私はみんなよりも劣っていることが多いなと日常的に感じていて。でも以前、性格診断をしたときに「行動力や発想力があるみたいな診断が出てきて、確かに思ったら躊躇わずに行動できるところは自分の強みかもしれません。あと、人とは違った変な発想ができるところも、時々いい方向につながることもあるので、そこは強みかなと思います。

──物事をプラスに捉えれば、それは個性につながりますものね。

岸:今までは注意されてばかりで(笑)、「普通の人になりたい」とずっと思っていましたが、普通の人じゃなかったから私は今日向坂46にいて、こうやって活動ができているのかなと。だから、人と違うことは決して悪いことではないのかなと、前向きに捉えられるようになりました。本当の私はコンプレックスだらけですが、普段から「自信満々です!」とか「私は可愛い!」とか口に出すようにしていて。やっぱり言霊ってあると思うので、そうやってポジティブな気持ちで活動と向き合っています。

──では、四期生の中での役割は見つけられました?

岸:それがまだ見つけられなくて。私は涙もろいしすぐに落ち込んじゃう性格なので、いつも心配してもらって励ましてもらう側なんです。なので……難しいかもしれませんが、いつかは励ます側の人間になって、みんなを助けてあげたいと思っています。

──なるほど。新曲「シーラカンス」の話も聞かせてください。すごくいい曲ですね。

岸:私はブログにも書くほど、以前からシーラカンスが好きで。もともと深海魚が好きで、その中でもシーラカンスが特に好きだったので、初めて曲名を聞いたときは「えっ!? これは夢?」と運命を感じたほどです。この曲を通じて日向坂46の四期生を知っていただくいい機会にもなるし、シーラカンスという魚の名前も知ってもらえるいい機会だなと思うと、うれしくなってしまって。シーラカンスのことを学ぶと、「生きた化石のように」というフレーズとか歌詞の意味もさらに深く理解することができるので、あわせて楽しんでいただきたいです。

──MV撮影はいかがでしたか?

岸:MVは青い鳥がひとつテーマとしてあるんですが、「シーラカンス」というタイトルや歌詞との共通点も多いのかなと思うんです。そこから「実はこの青い鳥はこういう意味があって、シーラカンスとはこうつながるんじゃないか」とか、いろんな考察もできると思っていて。解釈は人それぞれ違ってもいいと思っているので、今からおひさまの皆さんの意見を聞くのが楽しみです。

──この先挑戦してみたいことは何かありますか?

岸:私は生きものが好きなので、趣味としていろいろ勉強していくことでこの先いろんなことに役立てたいと考えていて。生きものといっても、それが海の生物か陸の生物か、あるいはペットだったり医療だったりと分野がたくさんあるので、今は迷っていて。ちょうど頭の中にあるものをメモにまとめているところです。

──そうなんですね。

岸:日向坂46に加入してからは自分の好きなことがたくさんできるし、それが活動にもつながっていくので、好きなことを追求して広げていくことは大事なんだなと実感していて。すごくありがたいで環境に置かせてもらっているので、その環境に甘えず努力していけたらと思います。

インタビュー/西廣智一