撮影:田中瞳

──撮影中すごく楽しそうにしていましたが、写真を撮られるのは好きですか?

藤嶌:写真を撮られるのが好きというより、こうやってお洋服を選んでいただいて、いろんなシチュエーションの中で、普段の自分じゃない自分になれる撮影というのが好きなんです。だから、すごく楽しかったです!(笑)

──この半年でいろんなことに挑戦してきましたが、自分ならではの個性を出せる活動は見つけられましたか?

藤嶌:四期生って本当に個性豊かな子が多いんですが、その中で「自分は普通だな、あまり個性がないな」と思ってしまっているところがあって。でも、そんな私でもこういうグラビア撮影とかカメラで撮ってもらうときはテーマが決まっている中で撮影ができるので、個性を出すというよりは合わせにいけることがうれしいんです。だから、こういう撮影は大好きです。

──そうやって設定の中に自分をはめ込むことは、以前から好きだったんですか?

藤嶌:昔から好きでした。小さい頃はミニスカートに母のサンバイザーを付けてゴルフ選手を真似したり、毛布を首に巻きつけて女王様になりきったりと1日に5回くらい着替えたりしていました(笑)。

──藤嶌さんはアイドルが好きだったけど、なりたいとは思っていなかったそうですね。自分のなりたいものをなんでも真似してきたのに、その中にアイドルという選択はなかった?

藤嶌:確かに! 自分が歌って踊ることは考えたことがなかったです。小学生の頃に乃木坂46さんの雨の中でのライブ映像を観ているとき、「私は癖っ毛だから、こんなに水浸しになったら大変なことになっちゃうので、絶対にアイドルにはなれないや」と楽観的に思っていたくらいなので、今こうしていることが不思議です(笑)。

──研修生時代から四期生のみんなと一緒にいるわけですが、「藤嶌さんってこういう子だよね」と周りから言われて気づくことはありましたか?

藤嶌:みんなから笑顔を褒められることがすごく多くて。これまであまり言われたことがなかったですし、いつもボーっとしているような人だと思っていたので、私は自分が思っているよりも明るいんだと気づきました(笑)。

──自分自身では、故郷で生活していた頃と比べて変わったとは感じますか?

藤嶌:環境も人間関係も第二の人生と言ってもおかしくないくらい、まったく違う環境になったんですけど、根本的な部分は変わっていないかな。というか、ずっと変わらずにありたいなって気持ちがあります。そんな中でも、以前はすごく楽観的に過ごしてきた私が、最近は物事に対して真剣に考えることが増えて。一生懸命になれるものをこの活動で見つけられたので、そこは変化した部分かもしれません。

──ここからは新曲「シーラカンス」のお話を。楽曲をいただいたときの印象は?

藤嶌:儚げなメロディと可愛げのあるリズム感が素敵で。ただ、「シーラカンス」というタイトルは想像もしていませんでした(笑)。でも、歌詞を読んだら昔の恋をシーラカンスに例える内容で、恋する儚さと四期生の今しか出せない爽やかでフレッシュな感じを届けたいと思って。この曲の良さを絶対に届けたいと思って、振り付けや歌の練習に励みました。

──この曲での藤嶌さんのポジションはフロントですね。

藤嶌:本当にありがたい場所を与えていただきました。隣には(渡辺)莉奈や(正源司)陽子の姿も見えますし、普段一緒にいるからこその安心感もあります。ポジションはともあれ、自分の今できる最大限の力を曲に注いで、この曲をもっともっと多くの人に届けたいなと思っています。

──印象に残ったフレーズはありますか?

藤嶌:みっちゃん(平岡海月)と2番のサビにある「大人への氷河時代自然淘汰されないまま」について、「ここ、めっちゃカッコよくない?」と盛り上がりました(笑)。

──では、ここから活動やプライベートでやってみたいことはありますか?

藤嶌:食べることが大好きなんですけど、その食を自分で作れたら最高だなと思って、調理グッズとかいろいろ揃えたんです。レシピ動画とか観ていると楽しくて仕方ないんですけど、いつも観るだけで終わってしまうのでちゃんと実行に移したいです(笑)。と同時に、アイドルとして健康にいい食事を心がけたくて。以前は苦手だった納豆も最近は大好きになりましたし、そういう食の好き嫌いをなくしてアイドルとしても成長していきたいなと思っています。

インタビュー/西廣智一